当院ではオステオパシーという医療体系に基づいて
不調を起こしている根本的な原因に対して施術を行っています。
オステオパシーは、日本ではあまり馴染みがない為、
初めて耳にする方のほうが多いと思います。
しかし世界的には広く認められている医療体系で、
アメリカやカナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの
ヨーロッパ各国、オーストラリアなどでは法制化され、
大学や教育機関が整備されて広く普及しています。
発祥の地のアメリカでは『ドクター・オブ・オステオパシー』と呼ばれる全ての州公認の正規の医師であり、
診断、外科手術、処方、投薬などの全ての医療行為が認められています。
日本ではあまり知られていませんが、世界で活躍するスポーツ選手は、オステオパシーを受けていることは珍しいことではなく、オリンピックやパラリンピック、サッカーワールドカップやウィンブルドンなど様々な国際大会の現場でもオステオパス(オステオパシーの施術者)がトップ選手のケアを行っています。
日本選手ではプロテニスプレイヤーの錦織圭選手や、フィギュアスケートの羽生結弦選手も、海外でオステオパシーを取り入れた治療を受けています。
オステオパシーでは人間の身体は一つに繋がっているシステムと考えています
オステオパシーでは、特に筋膜(Fascia)による全身のつながりを重視しています。
ここでいう筋膜は、意味合いとして、筋肉を包む膜だけでなく、内臓や骨を包む膜や隔膜など身体全ての膜を含んでいます。
人体は、筋肉、骨、内臓、神経、血管、リンパなどの各システムが、この筋膜によって相互に連結していて、それらのバランスが保たれていることで問題なく機能し、健康は保たれていると言えます。
オステオパシーでは、痛みや症状を出している原因が必ずしもその患部にあるとは考えません。
骨格のずれ、筋、筋膜の緊張、内臓の動きや機能、神経の滑り、血管の硬さ、リンパ液の流れ、脳脊髄液の流れなど、解剖学や生理学の原則に基づいて、それぞれの器官が調和して働いているかを詳細に検査して施術していきます。
そして、根本の問題を改善させることで、人間が本来持っている自己治癒力が最大限働くことが出来るようになり、その状態が維持できるようにお手伝いをします。
オステオパシーの歴史
オステオパシーは1874年にアメリカ人の医師、
アンドリュー・テーラー・スティル博士によって創始された
自然医学です。
スティル先生は内科・外科の医師でありながら、
当時流行していた髄膜炎にかかった自分の3人の子供たちを
助けることが出来ず、次々と亡くしてしまうという悲劇を経験しました。
また、当時の最先端医療と手厚い看護を受けていても、
命が助からない人々がいる一方で、医療を受ける
ことすらままならない人々であっても回復していくという事実に対し、医学のあり方に関して大きな疑問を抱きました。
そして人体に対して、独自の視線を持って深く探究していきます。
当時の薬剤信仰的な医療とは真逆の、自然医学を根幹に、解剖学、生理学、病理学など様々な学問を徹底的に学び直し、
約10年の月日をかけて人間をあらゆる角度から研究しました。
そして1874年にオステオパシーを発表します。
スティル先生は積み重ねた研究の中で、どんな病気の患者にも必ず筋骨格系の異常があることに気が付き、その構造的な異常から、循環系と神経系がアンバランスになることにより病気を引き起こしているという考えに至りました。
そして「骨」を意味する「オステオ」と「病気」を意味する「パソス」というギリシャ語から「オステオパシー」と名づけました。
オステオパシーは当時の医学界からは強い反対と抵抗に合い、受け入れられることはありませんでした。
しかしスティル先生は自らの信念を貫き通し、アメリカ全土に渡って、患者さんに対してオステオパシーの治療を実践して周りました。
そして最終的にミズーリ州のカークスビルという田舎に落ち着きました。
スティル先生の話を聞きつけ、治療を受けるために全米から人々が押し寄せるようになり、何もなかった土地にホテルやレストランが建ち並び、鉄道までも敷設され、一つの町が出来るまでになったそうです。
そしてその町に、1982年カークスビル・オステオパシー医科大学(現在のA.T.Stillユニヴァーシティ)が設立されました。
今から約100年ほど前にスペイン風邪(インフルエンザ)が世界的に大流行し、感染者が5億人、死者が1億人近く出たと言われています。
1918年にアメリカでインフルエンザ患者10万人に対して調査研究が行われ、
当時の医療的な治療を受けた患者の肺炎発症率は30~60%、死亡率5%に対して、
オステオパシー手技療法を受けた患者の肺炎発症率は10%、死亡率は0.25%と圧倒的に少なかったという報告があります。死亡率に関しては一般医療に対して20分の1に抑えることが出来ていました。
この統計的な事実も相まって、根強い反対を受けていたオステオパシーは信頼を勝ち取り、徐々に広まっていきました。現在アメリカでは全ての州で医学として公認され、医師として全ての医療行為が許されています。
そしてヨーロッパの多くの国では医療国家資格として認められ、オセアニアや南米にまで広く普及しており、赤ちゃんから高齢者、妊婦さんやモデル、プロのアスリートまで幅広い層の人々がオステオパシーの恩恵を受けています。